永田亮子 日日是好日  MONTHLY FACE  声優・ナレーター事務所 ビーボ

こんにちは、永田亮子です。
今月は私の担当!なのですが・・・自分で言うのもなんですが、私は本当に地味で平凡な人間です。どのくらい平凡かというと、世界陸上をやっていれば世界陸上を、ハンドボールが盛り上っていればハンドボールを、オリンピックがあればオリンピックを観るというくらい、節操もこだわりもコレクションもありません。そんな訳なので、とりあえず私の好きなものを脈絡無く紹介させてもらうことにします。

「茨木のり子詩集」

私の好きな詩人です。
教科書にも取り上げられたりしているので「私が一番きれいだったとき」が有名ですが、私が好きなのは「汲む ‐Y・Yに‐」と「自分の感受性くらい」です。“Y・Yに”とあるのは、木下順二の「夕鶴」の演者として有名だった女優の山本安英さんのことです。茨木のり子さんが二十一、二の頃、山本安英さんに会って聞いた言葉がこの詩の元になっているのだそうです。

「私はどきんとし そして深く悟りました (中略) 子供の悪態にさえ傷ついてしまう 頼りない生牡蠣のような感受性 それらを鍛える必要は少しもなかったのだな 年老いても咲きたての薔薇 柔らかく 外にむかってひらかれるのこそ難しい あらゆる仕事 全てのいい仕事の核には

震える弱いアンテナが隠されている きっと・・・」

見ず知らずの人に舌打されるだけで凹んでしまったり、唐突に泣きたくなってしまったり、どうしようもなく不安定な時、この詩の言葉にものすごく励まされました。そして今も茨木さんと同じように、時々ひっそりその意味を汲むことがあります。「自分の感受性くらい」は、色々辛いことがあって駄目になっていた時、読んで号泣しました。

そう、そうなんだ、って、ガツンと殴られたような衝撃を受けました。今でも駄目な自分を叱って貰う為に、ページを開くことがあります。私は特別繊細ではないけれど、弱い人間だと思います。すぐに駄目になってしまうけど、そういう時助けてくれるのは、言葉です。この詩に限らず、友達の何気ない一言だったり、何かのキャッチコピーだったり、小説の一節だったり、そういうものが力をくれます。

「石村萬盛堂のマシュマロ」

数年前から大好きです。ハマリました。博多銘菓「鶴乃子」を作っている会社です。柔らかくてしっとりしていて、すごく幸せな気持ちになります。ここのは、洋菓子なのにどこか和菓子のようにキメ細やかで繊細な感じがあります。以来、マシュマロを見かけると、どうしても買いたくなってしまいます。今、たくさん出てますよね。成田ゆめ牧場の「ウシマロ」とか、ギモーヴのとかロイズのとか・・・。美味しいマシュマロ情報があったら教えてください。お菓子作りが好きなので、一度マシュマロも作ってみたことがあるのですが、あまり美味しく出来ませんでした・・・。マシュマロ、手強い!因みに、お菓子作りに夢中になったのは、家に置いてあった母のレシピ本に「デザートは幸せの締めくくり。食事の最後に、食べてくれる人がずっと幸せでありますように・・・と心の中で祈りながらお出しするものです」というようなことが書いてあって、「わぁ、カッコイイ!」と思ったのがきっかけです。それが小学3年生くらいの時。ヒロイックで愛されたい願望の強い子でした。

「お茶」

お茶を習ったことはないので、何もかも自己流で恥ずかしいのですが、お抹茶が好きです。普段食事をコンビニのおにぎりで済ませてしまうような慌しい生活をしてしまいがちですが、ちょっと時間を贅沢に使って、丁寧にお茶を点てていただく。濃い苦味とその後喉に残る甘みが、バタバタ、トゲトゲした神経を静めてくれます。聞こえなくなっていたお湯の沸く音とか、窓の外の(それはカラスだったりもするのですが;)鳥の声・・・、頭の芯が解れていきます。 考えてみると、いつも物凄い騒音にさらされているんですよね。部屋ではびっくりするほど大きい携帯の着信音が聞こえないんですもん。それなのに、何となく寂しいからと、見てなくてもTVをつけてしまったりします。“人は誰でも心の中に湖を持っている”と言っていたのは誰でしたっけ?その湖を、静かに、深く、青くしておきたいなぁって思います。時には波立って濁ったりしても。

「着物」

胴長短足ちんちくりんの超日本人体型の私には合ってるかなぁと。民族衣装ですもんね。思春期には悩みました。何で平安時代に生まれなかったんだろうって。髪は真っ黒でまっすぐだし、目は小さいし、下膨れだし・・・中世に生まれてたら美人だったんじゃないかなぁ・・・でも、その時代に生まれたとしても農民だったかも・・・そしたら関係ないよなぁ・・・で、終了。この時代に、こうやって生まれてきたんだから、この体で生きていくしかないですよね。好きな着物を着て、背筋をしゃんと伸ばしたいと思います!

「太王四神記」

とても面白い現場です。言葉にすると月並みですが本当に!スタジオでは台詞を映像に合わせているだけではなくて、気持ちをその役に合わせ、更に相手に影響を受けることで、日本語のドラマが生まれています。相手の役者さんと鬩ぎ合って、気持ちが揺れて・・・それが予定調和でなく即興的なものになっているのは、素敵な役者さんがたくさんいらっしゃって、それを大切にしてくださるディレクターさんを始めとするスタッフの方々のおかげだと思います。私はなかなかそこまで行けませんが、同じスタジオでそういったやり取りを観られるだけで、とても刺激的です。吹き替えって面白いお仕事だなぁ。私がやらせていただくスジニはとっても可愛い役です。野生児のように自由で奔放な所と、処世術に長けた所、純粋な少女の部分が混在しています。彼女が素敵な女性になっていくよう私も頑張ります。四月からNHK総合でオンエアが始まります。「太王四神記」ぜひ観て楽しんでくださいね。

取り留めのない独り言にお付き合いくださったあなた、ありがとうございました。私なりのペースでゆるゆると頑張ります。これからもよろしくお願いします!

永田亮子

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