こんにちは。今月は永田亮子です。 歳を取ってきたせいかな?時間というものを様々に感じる今日この頃。 お暇なら読んでくださいね。
12年
この間、久しぶりに斯波さんを囲んで飲みました。斯波重治さんは「ナウシカ」「トトロ」など宮崎アニメの他、数々の作品を手掛けられた音響監督で、私が初めてお会いしたのは12年くらい前、初めてのお仕事も斯波さんの作品でした。私はこの方にお会いしなかったら、声優にはならなかったし、なれなかったと思います。この日のメンバーは斯波さんのほかに、監督(音響監督)の宇井孝司さん、ミキサーの内田誠さん、役者さんの玉川紗己子さん、そして私。 キャリアを見たら私なんか「ははーっ」とひれ伏してしまうような凄い方ばかりですが、混ぜてもらってワイワイお喋り。最近何してる?というような他愛もない話から、テレビというものの軽さと力について、演じることの根本から、蜷川幸雄の舞台の話まで…。私がやらせていただいた「サキヨミ」のナレーションや「アンネの日記」のことも話してくださいました。(要するに、「これだけやれてるんだから君は自信を持って頑張りなさい」ってことでしたが。)その感性のしなやかさと芝居に対する情熱!気がつけば閉店時間を過ぎていて、私たちが最後のお客でした。 紗己子さんとはそれほど長くお話したことはなかったのですが、生意気な私の言うことまで、ちゃんと心を開いて聞いてくださる素敵な方でした。そのうえ可愛らしくて、ユーモアのセンスがあるなんて!こんな役者さんになりたいなぁ。 私、こういうことがしたかったんだ、ってことを改めて思い出させてくれた夜でした。上手く言えませんが、こうした感性を持っていれば、どこにいたって、世界のあらゆる事が自分に刺激を与えてくれるし、感動を与えてくれるんだなぁって。こういう所まで行きたい!というエネルギーが湧いてきて、何だかもどかしい様なムズムズするような気持ちになって帰ってきました。
続くもの、変わらないもの
9月からヤングスーパーマンの収録が始まりました。今年もヤンスパの季節かぁ、という気分になるほどで、今year6、収録が始まって8年目です。始まった時は高校生だったのに、このシーズンではもう大学生。(その割に誰も学校へ行ってないみたいですが…)ドラマの中の悩みも、恋愛の好き嫌いだけでは割り切れないものになってきました。 収録中、ディレクターさんから「このシーンのクロエの中には、昔はあんなにみんなで仲良くやってたのに、っていう想いがあるんだよね」と言われて、色んなことを思い出しました。学園青春物っぽかったストーリーや、打ち上げ旅行のこと、役者さんたちもそれぞれの人生を歩んでるなぁって。8年は長い。その間に出会った人もいるし疎遠になってしまった人もいる。でも、何年もドラマの中で一緒に過ごせて、セリフを通して気持ちを通わせたり戦ったりできる…なんて素敵なんだろう。

「8年目のスーパーマン、こんな感じでやってます。」

「前列左から園崎未恵ちゃん、私、野島健児さん、甲斐田裕子ちゃん、福田賢二さん、佐藤拓也さん、服部幸子さん」
この間、キディ・ガーランドでミズさん(水橋かおりさん)と久しぶりに会ったときも時間の話になりました。「時間の流れが一般的な時間とずれるよね」って。この仕事はドラマの中でも生きているから、その間は別の時間軸にいて別の人生を送ってる。だから久しぶりに会うと、ちょっと混乱するっていうか、変な感じがします。ミズさんは6年前と変わらず華奢で可愛くって賢くって、ピリリと刺を隠し持ってる感じ。これもいいなぁ! 平野綾ちゃんとも久しぶりに再会!綾ちゃんは可愛さはそのままに大人になっていて、不思議な感じ。でも、キディのリュミエールは中学の時にしかできないものもあったのかも。(今だったら、また違うアプローチをしてたかもしれないなぁって今日思いました。それはそれで、また見てみたいけど…。)「ぢゃっぢゃーん!」と言ってた私も含め、作品との出会いは一期一会。良い出会いをさせてもらいました。

「終わって6年かぁ…前列左からぐるっと、土井美加さん、私、平野綾ちゃん、稲田徹さん、白石稔さん」

「美加さんと日本酒。お酒も話も美味しかったです。」
この空は

「独り歩きが基本です。通りかかった人にお願いしてパチリ!」
博物館や美術館へ行って楽しいのは、時間を超えて誰かに会えた気がするから。ナレーションをやらせていただいたご縁もあってローマ展、観に行ってきました。 実際ローマへ行ったのは一度しかないけれど、私が今足を乗せたこの石に、何千年も前に生きていた誰かが足を乗せていたかも知れないと思うと、頭の芯がジーンとするような感動を覚えました。好きです、ローマ。 今回の展示は彫刻や壁画、食器、アクセサリーなど。人物の彫刻を見ていると、およそ2000年前も今と変わらない姿の人間が生きていて、その人の姿を立体的に表現した人間がいたということ。そして、時を超えて同じものを目にしている不思議…。 石の文化という印象が強い古代ヨーロッパで、壁画の豊かな緑は新鮮に映りました。私がナレーションさせていただいたバーチャルリアリティ映像は、展示されている壁画のあった邸宅を再現したものですが(これが本当によく出来ていて、自分がその部屋の中に入って色んな角度から眺めているような気分になるんです。)こんな部屋で生活して、木々や花を愛で、青い空を見ていたのかと思うと、2000年前が急にリアリティを持ち始めます。指輪とか、ネックレスとかも、今誰かが着けていても違和感がないくらいお洒落なんです。う~ん、これなら欲しいなぁ(絶対貰えないけど!)なんて偉そうに思いながら見てきました。
外へ出たら綺麗な秋空。この空はローマまで繋がってる!と妙にテンションが上がってしまったのでした。

「見上げると」

「空高いなぁ」

「綺麗な兎の眼になりそうです」
大人だろ
もう本放送は終わってしまいましたが、NNNドキュメント「18万人の政権交代〰母子加算はこうして復活した」のナレーションをやらせていただきました。VTRに出てくる子供たちの生々しいコメントが胸に刺さります。「サキヨミ」の時にも感じたことですが、社会問題や政治のことから逃げていてはいけないなと…。こんな歳になって恥ずかしいですが政治や宗教にはできるだけ近づきたくないって思って来ました。でも、他人事じゃないんですよね。政治活動しようとは思わないけど、現実、現状を知ることは大事だし、ちゃんと色んなことが見える、言えるのが大人なのかなって。「♪おとなだろ~勇気をだせよ~♪」清志郎さんの歌が聞こえてきました。

「重いナレーションもやらせてもらえるようになりました」

「Nドキュのスタッフさんと。でもピンボケ…。」
文字ばっかりでごめんなさい。 ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。 歳を取ることを恐れず?これからもがんばります!
これからもよろしくお願いします。
永田亮子
